焼いたり茹でたりして、食べると肉汁が口の中にほとばしる、ソーセージは最高においしいですよね。そのソーセージですが、時に、添加物含有食品の代表のように紹介される事があります。発色剤として使用される亜硝酸ナトリウム(以下、亜硝酸Na)が諸悪の根源のように語られる事が多いですが、実際はそうでもないようです。
1.ボツリヌス菌
そもそもなぜ亜硝酸Naが使われる事になったのか。これは発色性にも増して、ボツリヌス菌の予防、と言う側面があります。100年程前のヨーロッパでは、ソーセージは重要な保存食でした。しかしながら当時の人々はこのボツリヌス菌に悩まされていたのです。ボツリヌス菌と言われてもあまりぱっとしませんが、この菌、地球上最強の毒素と言われる程、強力で恐ろしい菌なんです。フグ毒、青酸カリ、サリンよりも強い毒性を持っているんです。そもそもボツリヌスの語源はラテン語のbotulus(腸詰め、ソーセージ)からきています。亜硝酸Naを加える事によって、このボツリヌス菌の繁殖を押させる事が出来るのです。
2.発がん性
亜硝酸Naは、発がん性物質であるニトロソアミンの原料になるために、評判が悪いようです。「ソーセージには発がん性物質(の原料)が含まれている」、この文章だけ読むと確かに怖い!と思われるかもしれません。ですが、日本で手に入る食肉製品において、用いる事の出来る亜硝酸Naは、1kgに対して0.07gまでです。一方野菜における硝酸塩の含有量は
ほうれんそう:3560±552mg/kg
レタス:634±143mg/kg
春菊:4410±1450mg/kg
(データ取得元:厚生労働省)
となっています。つまり、野菜に含まれる硝酸系物質の方が遥かに多い事が分かります。
(野菜が危険だと言う事ではありません。野菜にはそれ以外に健康に良い物質が沢山含まれています。)
ソーセージを1日の間に数百本、数千本食べたりする事が無ければ、気にする必要はない、と言えそうですね。
ソーセージを、安心して美味く食べましょう。