オーストラリア産牛肉の安さ、匂いの理由とその対処方法

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担当の林です。
今回は、オーストラリア産牛肉の匂いについてお話しします。

私達が小さかった頃は、輸入肉というものはありませんでした。少し大人になった1991年、牛肉の輸入が自由化されるに伴って、アメリカ産やオーストラリア産の牛肉をスーパーで見かけるようになりました。現在の牛肉のシェアは、狂牛病の問題等でアメリカ産牛肉の割合は減少し、スーパーではオーストラリア産、あるいは国産の牛肉を見かける事が多くなっています。

輸入牛肉の国別シェア

但し、2008年のデータ。財務省「貿易統計」より作成
そしてオーストラリア産牛肉は一般的に価格が安いので、食卓でも御馴染みかと思います。しかし買ってみて調理し、いざ喜び勇んで食べてみると。。。。

臭い。。。。

臭いのです。内臓ならまだわかるのですが、赤身の肉なのに匂いが気になるのです。しかし食事中に食事の文句を言うのはどうかと思いますし、そもそも匂いが気になるのは自分が敏感過ぎるだけで、周りの人は美味しく食べているかもしれません。なので黙って食べていたりするのですが、それでも一緒に食べている人から、「臭くない?」と言われたりします。どうやら自分だけが感じている問題ではないようです。

しかしそれでも自分の調子がおかしかっただけかもしれないと思い、国産牛肉を買って調理し、食べてみるのですが、やっぱり臭くない。こうなると、このように思う方もいるのではないでしょうか?

  • やっぱり国産牛肉の方が品質は高いんだ。
  • この匂いは、安全面に問題があるからではないのか。

ちょっと待って下さい。安全面を考慮する事は確かに大事ですが、実はあの臭さは他のところに原因があるのです。それは

「牛の飼料」

なのです。

一般的に牛が食べる飼料には2種類あります。それは牧草と穀物飼料です。そして牧草を食べる牛の方が肉の臭いが強く、穀物を食べる牛の方が匂いは少ないのです。そして、牧草飼料の方が、コストが安いのです。

最終的な牛の匂いは、牧草飼料を食べた期間と穀物飼料を食べた期間同士の相対的な長さによって決まります。つまりスーパーで見かけるオーストラリア産の牛肉のうち、安い物は牧草を飼料として育てられた期間が長い牛である事が多いのです。一方国産牛肉は、穀物飼料で長く育てられた牛が多く、匂いも少ないのです。

あの匂いと値段の安さは安全性ではなく、牛の飼料から来るもの、ということのようですね。しかし、牛は穀物を食べるよりもむしろ、牧草を食べている方がむしろ自然だとも思えます。

匂いが気になるということでしたら、最近は日本向けに、穀物を与えて育てられたオーストラリア産牛肉もありますので、そちらを購入されても良いかと思います。

しかし、牧草飼料を主に食べた牛であっても、香草・スパイスを使う事により肉の臭さを消す事も出来ます。ローズマリー、ナツメグ、タイム、コショウ等を用いれば、臭いを消し、また肉の旨味を引き出してくれるので、美味しく頂く事が出来るのです。下のような簡単なものでも、随分料理に幅が出ますので、お試し頂けると良いかと思います。

マスコット イタリアンハーブミックス 11g

香草をつけたステーキ

 

これら香草・スパイスは海外には実にたくさんの種類がありますが、日本にはこのように沢山の香草やスパイスを使う文化はありません。人々が牛肉を食べる様になったのは、オーストラリアでは18世紀後半、日本では19世紀後半です。牛肉の取り扱いについては、オーストラリアの方が約100年先輩なのです。日本食は世界でも高い評価を得ていますが、こと肉の取り扱いに関しては、オーストラリアや欧米の方が優れた方法を持っている、と言える気がします。

代表的なスパイスの一つである、コショウを使った牛肉の煮込みをメインとする3月30日開催の料理教室の参加も、お待ちしております。

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オーストラリア産牛肉の安さ、匂いの理由とその対処方法」への4件のフィードバック

  1. ケニータカハシ

    一概にオージー・ビーフといっても国産牛同様そのクオリティは様々であることをお忘れなく。
    オーストラリアのスーパーで売っている良い品質の牛肉はキロ辺り20-25豪ドルで味も香りも柔らかさも「洋風な調理法」に限って言えば文句のない品質。
    しかし、それらの肉をコストの高い空輸によって日本へ輸送し、業者を介してスーパーでキロ1500円で販売できるわけがない。
    つまり、日本のスーパーで手に入るオージービーフはオージーも食べないクオリティのものだ、ということ。
    (日本人も含めて)本当のオージービーフの味を知ってる者は国内の専門店でクオリティの高いオージービーフを購入するのが食通の常識。 味も洋風調理法であれば文句のないどころか、国産牛にもまさるクオリティだ。
    オージー・ビーフ=臭いというのは単なるステレオタイプであり、食材に関していかに知識がないかという証拠であることをお忘れなく。

    返信
    1. tk 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      普段私達が口にするオージー・ビーフは、品質の低いものであり、オージー・ビーフの特徴を表しているものではない、ということ、理解致しました。
      ありがとうございます。普段スーパーで手に入るお肉を、もっと美味しく食べてもらいたいと、料理をする男性を応援する思いで書いたものでした。
      機会があれば、品質の高いオージー・ビーフを購入し、是非食べてみたいと思います。勉強の機会を与えて下さり、ありがとうございました。

      返信
  2. オージービーフ

    オージービーフの通販を行っている、かわまたやと申します。
    データを使った記事わかりやすく読ませていただきました。
    肉の旨みの記事も面白かったです。旨み成分の件は一般の方にもわかりやすいと感じました。
    さて、ご紹介のとおり、牧草肥育のオージービーフには草のみで肥育された独特の風味があります。
    これは草というより、土の影響が強いと考えています。オーストラリアの土地は一般に肥沃で、マンガンや亜鉛、鉄などのミネラルが豊富です。このため牛が食する草を通じてこのミネラルが吸収されています。これが特に赤身の強いヒレやモモなどで匂い(風味)として感じられるのではと考えています。
    ただ、これは品質が低いというわけではありません。栄養的には豊富であり、穀物肥育より、グラス(牧草肥育)のお肉でなければと購入される方も多数いらっしゃいます。
    ご参考になれば幸いです。

    返信
    1. tk 投稿作成者

      かわまたや様
      興味深いコメントありがとうございます。
      土中に含まれるマンガン、亜鉛、鉄等のミネラルが匂いにつながるのですね。
      オージービーフは、美味しいお肉です。それにも増して、スパイスの使い方が日本人と比べて上手だ、ということを表現したかったため、本記事を書かせて頂きました。
      日本では肉を食べるようになってからの歴史が欧米に比べると長くないため、肉の調理方法、という点に関しては、欧米の調理方法を勉強出来る点があるように思います。
      その一つが、スパイスだと思っています。アメリカンビーフ、オージービーフ共にそれぞれとても良い所があるのでは?と考えています!
      宜しくお願いします。

      返信

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